第三者Jの小説、始めました

自身の妄想を小説にしてみた

 カリスーラ歴754319

 

 

 さて今日は待ちに待った魔物狩りの日だ。

 今日のためにこの約一週間しっかり準備してきたつもりだ。

 

「ミカ、準備できたか?そろそろ行くぞ」

「分かったよ、父さん。それじゃ行ってくるね母さん、セリア。」

「お父さんがいるから大丈夫だとは思うけど気をつけなさい。体は一つしかないのだから。」

「兄さん、初めての魔物狩りです。頑張って下さい。父さんは兄をしっかり注意して見守って下さいね。」

 

 

 家の前で少しやり取りをしてから僕たちは出発した。

 町の中心部に向かい、目的地であるサントリア山脈の麓にあるエスタという街に向かうた為、乗合馬車に乗込んだ。

 エスタまで馬車で約一日はかかる。

 馬車に乗りながらふと思った事を聞いてみる。

 

「そういえば今回はサントリア山脈の魔物を狩りに行くけど、近くのカンテラのダンジョンじゃダメなの?」

「ああ。ダンジョンの魔物は殺すとなぜか結晶を落とすだけだからな。俺たち薬師にはあまり向かないのさ。ただしダンジョンにだけ生えたり群生している薬草も存在するから必要な時には行かなければならいな。」

「ふーん、そうなのか。あ、それとダンジョンではたまに珍しい薬や薬草も宝箱から出てきたりするらしいね。」

「それもあまりあてにはできないな。そもそも宝箱はあまり見つからないし、あったとしてもその中身が薬や薬草である確率はさらに低い。まあでも大きなダンジョンの深いところまで潜れば今ではもう存在しない薬草や薬、もしかしたら伝説のメディカが発見できるかもな!」

「伝説のメディカも見つかるかもしれないのか。一度は潜ってみたいなぁ。」

「やめとけやめとけ。ダンジョンの深いところは本当に一握りに強者にしか攻略できないところだ。よっぽどの事情がない限り強者以外は近寄りすらしないもんだ。」

「そっかけどなー、メディカが見つかるのかもしれないんだよね。薬師だったら絶対一度はみてみたい伝説の薬だよ。」

「伝説の薬メディカか、確かに俺も一度は見てみたいが今まで発見されたのは全世界で片手で数える程だな。しかも全部ダンジョンで発見されたものだ。製法も一応あるが材料はほとんどが伝説に伝わっているものばかりだ。本当にそれで作れるのかは今となっては誰もわからん。」

「そうだよね。僕も読んだ事あるけど材料を発見すのにも一苦労だ。まあその製法が書かれているのがガーロンド=エリック大先生の本だってのはまだ救いかな。」

「そうだな、彼が亡くなってから約1300年、今だに第一線で使われている本だし信頼性は十分だ。まぁけどそんな夢物語は一人前になってから考えるんだな。そんなことより今は目の前の魔物狩りの方が重要だ。俺と一緒とはいえ魔物狩りの時はいつも危険が付いてまわると思え。油断していると最悪の場合死だ。」

「分かってるよ父さん。油断はしないさ。」

 

 魔物狩りに事をどこか呑気に考えていたが父が真剣な表情をしていったのを見て気持ちを切り替える。

 こうして僕たちは馬車に揺られながら進み、日が暮れる頃にエスタに到着した。