第三者Jの小説、始めました

自身の妄想を小説にしてみた

 カリスーラ歴754319日 夕方

 

 

 ようやくエスタの街に着いた僕たちは宿を探しに街に中心部に向かった。

 中心部には冒険者や行商人、旅の吟遊詩人などが止まるための宿が多く並んでいる。

 そのうちの一つである銀とんぼと呼ばれる宿に入っていく。

 

 「いらっしゃい、あらシモンじゃないか、今日も1人かい?」

 

 そう声をかけてきたのはこの宿の女将だろうか。

 

 「やあ、今回から息子もいるから2人だ。それとここで夕食を食べたいので夕食の準備を頼む。」

 

 いつものような感じで父は宿に宿泊する旨を伝える。

 

 「そうなのかい。あんたが息子かい?」

 

 いきなり声をかけられた僕は少ししどろもどろになりながらもなんとか返事を返す。

 

 「は、初めまして、ミカエルと言います。歳は13です。」

 「なんとまあ、13歳とは随分と若いじゃないか。シモン、なんでこの子を連れきたのさ?」

 「歳は13だが、ミカはもう薬師に必要な基本は完璧にできる。そろそろ応用の薬の作り方を教えるついでに自分で魔物を狩れるようにするために連れてきたのさ。」

 「はぁー、その歳でもうそこまでできるようになっているのかい。やっぱりあんたの子だねぇ。」

 「いや、俺なんかよりもずっと物覚えがいいし、ハンターとしての勘もある。今はまだひよっこに毛が生えた程度だがあと数年したら追いつかれるな。」

 「あんたがそこまで言うんだ、親バカっていうのではなさそうだね。あんたの息子が後を継いでくれれば私らも安心だね。」

 

 

「あ、ありがとうございます。」

 

 少し気恥ずかしく感じながら返事をする。

 

 「さて、今日ここに来たってことは明日の魔物狩りのためだろ。部屋は216だ。荷物を置いて食堂に来な。精のつくものを出すからしっかり食べるんだよ。」

 

 そう言われて女将さんから鍵を受け取り、部屋へ向かった。

 部屋は清潔に保たれており2人部屋にしては大きめだ。

 僕たちは荷物を置き一息つく。

 すると父が

 

 「ミカ食堂に行く前に言っておくことがある。宿についてだ。今回が初めてだから言っておく。将来魔物狩りに行く機会も多くなることだろうからな。宿に泊まる時は必ず平均よりも価格が高い信頼できるところに泊まるんだ。何故だかわかるか?」

 

 僕は少し考えて答える。

 

 「えっと、安い宿だったら自分の荷物が取られる危険があるから?」

 「もちろんそれもあるが、一番大事なのはそこじゃない。体を休め、整えるためだ。魔物狩りには常に危険がつきまとうと馬車の中でも言ったな。もし魔物狩りの最中に体調が万全でなっかたらどうなる?万全であったならば気付けた危険や、魔物の不意の攻撃などによる怪我を負うことになる。分かるな?」

 「うん。」

 「それだけじゃない。食事にも注意するんだ。屋台で買ってもいいがあまり安いものや信頼できそうにないものを口にするのは駄目だ。宿の場合も同様だ」

 「分かった、気をつけるよ。」

 「最初はそんなに心配していない。ただ慣れてきたときにこういう事をきっちり守っていないと必ず手痛いしっぺ返しをくらうことになる。しっかり覚えておくんだ。」

 

 父は話を終えるといつもの表情に変え

 

 「さ、真面目な話はこれで終わりだ。食事にしよう。女将のアーニャの飯は母さんのと同じくらい絶品だぞ!」

 「本当⁉︎それは楽しみだね!」

 

 僕たちは話をしながら食堂へと向かった。

 父さんの言う通り食事はとっても美味しかった。

 食事を終え、僕たちは部屋に戻り、明日の魔物狩りに備えてしっかりと睡眠をとった。